「派遣は最低賃金ならOK」は大間違い!知っておくべき「派遣料金」が決まる法律の仕組み
「派遣は最低賃金ならOK」は大間違い!
知っておくべき「派遣料金」が決まる法律の仕組み

1.はじめに
日頃、多くの製造業の担当者様とお話しする中で、非常に頻繁にいただくご質問があります。
「派遣スタッフの時給って、要は『最低賃金』を割っていなければ、法律上は問題ないんですよね?」
昨今の物価高騰やコスト削減の現状を考えれば、少しでも安く人材を確保したいと考えるのは当然のことかと思います。
しかし、その認識は、間違いです。
実は、派遣社員の賃金を決める際、「最低賃金を守っているかどうか」だけでは不十分なのです。現在の派遣法では、最低賃金とは別に、
「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額(一般賃金)」
を守る義務があることをご存じでしょうか?
もし、「最低賃金ギリギリの金額」で派遣の見積もりをとっている場合、知らず知らずのうちに法令違反のリスクを抱えている可能性があります。
今回は、意外と知られていない「派遣料金が決まる法的な仕組み(労使協定方式)」について、わかりやすく解説します。
2.なぜ? 派遣社員の賃金が決まる「同一労働同一賃金」のルール
派遣法で義務化された「2つの方式」
法律の背景
2020年の法改正(同一労働同一賃金)により、派遣社員にも「正社員と同等以上の待遇」を確保することが義務付けられました。厚生労働省のガイドラインにも明記されています。
【引用】厚生労働省:派遣労働者の同一労働同一賃金について
賃金は、2つの方式にて決定する
- 派遣先均等・均衡方式:派遣先(お客様)の社員と同じ給与体系にする。
- 労使協定方式:国が定める「一般賃金」以上にする(多くの派遣会社はこちらを採用)。
ここがPoint!
ルクルを含め、多くの派遣会社は「労使協定方式」を採用しているため、国の統計データに基づいて賃金が決まります。
3.実はこう決まっている! 賃金算出の「計算式」を解説

賃金は、派遣会社の言い値や最低賃金だけで決めているわけではありません。
派遣法にて定められた下記の計算式で賃金を算出します。
「職種」×「地域指数」で決まる(東京が基準)
<計算式>
基本給=職種ごとの基準値(全国平均)×地域指数
※この計算に使われる数字は、厚生労働省が毎年発表する「職業安定業務統計」に基づいています。
【引用】厚生労働省:派遣労働者の同一労働同一賃金について
例えば
- 職種: 「製造」「事務」「溶接」など、仕事内容によって国が金額(時給換算)を設定しています。
- 地域指数とは、 東京を「100(基準)」とし、基準に応じて各地域に設定されている指数のことです。
- 例: 福岡県うきは市なら東京の〇〇%(約90〜92%程度など)
つまり、同じ仕事でも「東京」と「福岡」で法律上の下限額が異なりますが、それは「最低賃金」よりも高い水準になることがほとんどです。
4.地域指数や労使協定はいつ変わる? 「毎年4月」の改定と「2年縛り」の協定

厚生労働省のデータ更新と賃金改定のタイミング
毎年の改定がある
この「職種ごとの基準値」や「地域指数」は、国(厚生労働省)の統計に基づき毎年更新されます。新しい基準は毎年4月から適用されます。
労使協定の期間
派遣会社とスタッフ(または過半数代表者)の間で結ぶ「労使協定」は、最長で2年間の有効期間(縛り)があります。
注意点
協定期間中であっても、国の基準値(一般賃金)が上がれば、それに合わせて賃金を引き上げる必要があります。だからこそ、年度替わりのタイミングで料金改定の相談をさせていただくことがあるのです。
5.「うちは大丈夫?」と思ったら、確認!安すぎる見積もりのリスク
もし、国の定めた一般賃金を下回る金額で契約していた場合、派遣法違反となり、派遣元だけでなく派遣先(企業様)にも指導が入る可能性があります。
※「最低賃金を下回る場合は違法」等の記載あり
法令を遵守した適正な賃金設定は、コンプライアンスを守るだけでなく、「質の高い人材の確保・定着」にも直結します。
ルクルは法令を遵守し、適正な価格でサービスを提供しています。「今の派遣単価、法律的に大丈夫かな?」と不安になったら、無料診断も可能です。


